経営参謀が明かす 論理思考と発想の技術

 

経営参謀が明かす 論理思考と発想の技術 (PHP文庫)

経営参謀が明かす 論理思考と発想の技術 (PHP文庫)

 

 正しさを保証する五つの根拠
一般に正しさのよりどころは、次の五つであると思う。


(1)力による正しさ

(2)制度的正しさ

(3)数理的正しさ

(4) 「事実」の正しさ

(5)論理的正しさ

 

考える論理(ロジック)の五原則は、次のとおりである。


1.基本はピラミッド構造(帰納と演繹で積み上げる)
2.メッセージは一度にひとつだけ(一文一義)
3.抜けや歪みのないこと(MECE
4.抽象のレベルが揃っていること
5.最下部は、事実かまたは事実に代わる蓋然性の高い仮説

 

大前提(一般論)が正しいことは、どうすれば証明できるだろうか。
それは「帰納」の問題である。

「Aも死んだ」「Bも死んだ」……「歴史上死ななかった人はいない」という下位の複数の命題があれば、上位のメッセージの「人は必ず死ぬ」は正しいことが立証できる。


つまり、複数の「個別の」事実から、共通項を求めると、それは再現性のある一般論として、法則化できる。

この法則化の過程が「帰納」であり、科学の法則はこの「帰納」によって成立している。
(仮説をたてて、実験によって検証するのも、結局は再現の事例をつくりデータを増やして帰納することと同じである。

 

論理的な人は、まず結論を先に言って、その理由はこれこれだと言えばそれですむかもしれないが、人間の心はそういうものではない。


いきなり結論を言う前に読み手の気持ちをほぐし武装解除をする、つまり相手の心に受け入れの準備をさせることも必要なのだ。

 

このプロジェクトチームの運営の最大の問題は、プロジェクトの当初に「何がイッシューなのか、いつまでに何を明らかにするか」が決まらないままに、二カ月を過ごしたことにある。


何を解決しなければならないかがわからないままに、メンバーが待ちの姿勢で、「報告を聞いて意見を言う」のでは、作業は進まない。

 

売上=店数×店当たり売上」の図式を使えば、イッシュー・ツリーは、「店数を増やせるか」と「店当たり売上を伸ばせるか」に分けられる。

そして「店当たり売上を伸ばせるか」については、「よく売れている店に共通の要素はあるか」と「それを他の店にも及ぼすことができるか」という二つのイッシューに分けて考えるとしよう。

 

すぐれた法学者は、背後に帰納論をもちつつ、しゃべるときは演繹論をしゃべる。

つまり、裁判官は心の中では帰納論(過去の例はこうだ。時代の流れはこうなりつつある。ここでこのような判決をすると、それは社会にどう影響するだろう。そう考えると、最も妥当な決定はかくあるべきで、それが現在のところいちばん正義に近い……)を持ちながら、話すときには自分の心に起こった帰納の過程を話すのではなく、説得力のある「法の条文はこうなっている。これは本質的にかくかくという意味であり、そのように解釈すべきである。それゆえにそれをあてはめると、このケースはしかじかの結論になる」という論法を使うということであろう。

 

日常の中ではなかなか「論理」に触れる機会は減っていく一方なので、たまにはこういう論理に的を絞った書籍を読むことで自分を論理側にもっていくようにしています。

お役所情報の読み方

 

 

 

通商産業省がその年になってから急に、あるテーマについて力説するようになったとしたら、「これまで長い間書かなかったのはなぜか」をヒントにして考えることができる。

 

政府刊行物には「読み方」がある。

一冊だけ読んでもダメ。

今年だけ読んでもダメ。

ありがたく読んで結論を鵜呑みにしてはダメ。

しかし、立体的・総合的に読んでいくとなかなか役に立つ。

 

白書等はウェブで公開されているため比較的アクセスしやすい。

また過去のものも公開されている。

 

ただ「読み方」と言われてもと思いがち。

むしろ統計データの箇所やグラフだけさらっと取ってくるという使い方をしているのであれば、重層的な読み方はできない。

 

せっかく国民の税金を使って作成しているのだから、うまく政府刊行物を使いこなしたいと思わせる。